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医療機関の内装  クリニックや歯科医院の設計やデザインのポイント

2022.12.22お役立ちコラム

クリニックや歯科医院などの医療機関における内装は、患者の第一印象を左右するため大変重要です。
働くスタッフにとっても、気持ちよく働けるかや仕事の効率に関わる要素でもあります。

本記事では、医療機関の内装を考える際の注意点や、場所別に押さえるべきポイントについて解説します。
あとから「こうすればよかった」と後悔しないためにも、大切なポイントを押さえておきましょう。

医療機関の内装|クリニックや歯科医院の設計やデザインのポイント

内装のポイントは医療機関の目指す【コンセプト】

医療機関を開院する場合、誰もが「こんな病院をつくりたい」といった理想を持っているでしょう。
その理想をもとに、医療機関のコンセプトを固めておくのが大切です。

誰のためにどのような医療を提供する空間なのか、コンセプトを明確にしておくと、自ずと内装のポイントも見えてきます。
また、明確なコンセプトがあると、内装業者とのイメージの共有や業者側からの提案もしやすくなります。

イメージにずれが生じると、なかなか納得のいく内装につながらない可能性があるため注意しましょう。

医療機関ならではの設計時の注意点

医療機関は、一般的な建築物とは異なり、内装を考える際にも注意すべき点が多い建築物です。
建築基準法やバリアフリー法などの配慮すべき法令も多くあります。

ここでは、医療機関を設計をするうえで重要な注意点についてご紹介しますので参考にしてください。

プライバシーを守る設計

医療機関において個人情報の保護やプライバシーへの配慮は大切です。
診察室では、病状の説明や今後の治療法など、患者とのナイーブな話も行われます。

● 診察室の防音はできているか
● ドアからの音漏れはしないか
● 処置室は外から中が見えないように設計されているか

このような、患者のプライバシーを守る配慮を重視した設計が必要です。

患者とスタッフの動線に配慮

医療機関内での、患者やスタッフの動き方を見据えた設計も重要です。
配慮すべき例は、以下の通りとなります。

患者の場合

● 診察室から検査室や処置室への移動は分かりやすくスムーズか
● レントゲンや処置の準備で、軽装になってからの移動はルートは適切か

患者が困惑したり、不快な思いをしたりしないような設計が大切です。
患者の立場になって、動線をイメージしましょう。

スタッフの場合

● スタッフルームの位置は、患者の往来が多い場所ではないか
● 診察室や検査室などが離れていて、仕事の効率が下がらないか

スタッフが休憩中にくつろげなかったり、会話が外に漏れたりしないよう配慮が必要です。
また、仕事の効率が下がると働く意欲も低下する可能性があるため、働きやすい環境づくりを心がけましょう。

水道や電気設備の対応

CTやMRIなど、医療機器によっては大きな電力が必要です。
施設内でブレーカーや分電盤を新設したり、増設したりする場合、施設によっては難しい場合もあります。
可能かどうか事前に確認が必要です。

また「処置室に水回りが欲しい」「バリアフリートイレを複数設置したい」などの希望がある場合は、水道設備が対応可能かも事前に確認しましょう。

【医療機関の場所別】内装のポイント

医療機関では、場所別に押さえておきたい内装のポイントもいくつかあります。
診療科や患者の年齢、移動手段、誰と来院するかなど、患者の特徴はさまざまです。
来院する方たちが、不便に感じないように内装のポイントを押さえておきましょう。

入口

コロナ後からは、入口に体温測定器や手指消毒用アルコールを設置する病院がほとんどです。
今後もスタンダードになっていく可能性があり、設置場所を確保しておく必要があるでしょう。

診療科によっては、ベビーカー、車いす、ストレッチャーで来院する方もいらっしゃるため、入口の幅や方向転換などができるスペースがあると便利です。

受付

受付は医療機関の顔であり、特にこだわりたい場所です。
患者に気持ちよく過ごしてもらうためにも、清潔感や明るさなどを意識するとよいでしょう。

受付スタッフの目線では、カウンターの高さ調整ができたり、作業スペースが確保されたりしていると、快適に仕事が行えます。
患者目線の場合は、受付で症状を伝える際に周囲に話を聞かれない環境づくりなども必要です。

受付スペースが狭い場合は、レイアウトの工夫で解決へつながる可能性もあります。

待合室

コロナ後からは、感染症対策のために間隔を空けて座れるスペースが必要となりました。
また、待合室は患者の滞在時間が長い場所でもあるため、リラックスして過ごせるような配慮が必要です。

患者同士の目線が合わないように、レイアウトを工夫したり装飾を施したりするとよいでしょう。
また、待合室が廊下と共同の場合は、前を人や車いすが通っても窮屈にならないスペース確保を行うとお互いに気を遣わず安心です。

診察室

診察室は、最もプライバシーへの配慮が必要な場所です。
外から中の様子が見えないか、声が外まで聞こえないかなどの設計・設備を重視しましょう。

また、患者本人だけでなく、話を一緒に聞きたい家族も診察室に入る可能性があります。
患者が車いすやストレッチャー使用の場合もあるため、患者の状態や家族について考えたスペースの確保も必要です。

トイレ

病院では、一般的に車いす用(バリアフリー)トイレが設置されています。
診療科によっても特徴がでる場所です。
小児科の場合はおむつ交換台を設置したり、消化器科の場合はオストメイトトイレを設置したりなど、診療科に応じたトイレ設置にも配慮が必要です。

また、高齢者がトイレの中で転倒するなど、助けが必要になる可能性もあります。
目につきやすく、手の届きやすい場所にSOSボタンもあると親切です。

まとめ

医療機関の内装には、注意点や押さえておくべきポイントがあります。
配慮が欠けた内装では、患者さんの印象や居心地も悪く、スタッフの働きづらさにもつながります。

どのような医療機関をつくりたいか「コンセプト」を明確にするのが、内装を考えるうえで大切です。
納得のいく医療機関をつくるためにも、本記事で紹介した注意点・ポイントを押さえて内装に活かしましょう。

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