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病院経営で必要な資格とは?あると役立つ資格や開業資金の目安も解説

2023.01.24お役立ちコラム

病院の経営を検討しており、どのような資格が必要なのか悩んでいる方もいるでしょう。この記事では、あると役立つ資格や開業にあたって必要な準備について解説します。
最後まで読めば、病院経営にあたって必要な準備を迷いなく進められるようになるでしょう。

病院経営で必要な資格とは?あると役立つ資格や開業資金の目安も解説

病院経営に必要な資格とは?

病院やクリニックを開業する際に必須の資格は、医師免許です。
それ以外の資格がなくても、医師免許を保有する方が院長をつとめれば開業・経営ができます。

仮に医師としての経験がほとんどなくても、問題はありません。
専門医の資格があれば、来院する患者に専門性の高さを示せ、よいアピールポイントになります。
とはいえ、開業や経営にあたっては専門医でなくてもかまいません。

なお、病院の経営は原則として医師免許を持つ方が担います。
医師免許を持たない方でも病院やクリニックは開業できますが、それには一定の要件を満たしたうえで都道府県知事の認可を受ける必要があります。
簡単ではないため、医師以外が理事長になるケースは多くありません。

病院経営で役立つ資格3つを紹介

必須ではないものの、取得しておけば病院経営で役立つ資格があります。
ここでは、特に代表的な資格3つについて解説します。

1.医療経営士|医療機関の経営ができる人材

医療経営士は一般社団法人日本医療経営実践協会が認定する民間資格で、1~3級に分かれています。
医療機関の経営に必要な知識と実践的な能力を備えた人材を認定するものです。

  受験資格 出題形式 出題数・時間 受験料
 3級 誰でも受験可能 五択のマークシート形式 50問・80分 9,100円(税込)
2級 3級合格後、協会の正会員として登録した方 五択のマークシート形式 第1分野:50問・80分

第2分野:50問・80分

16,000円(税込)
1級 2級合格後、協会の正会員として登録した方 一次試験:短文記述・論文記述

二次試験:口頭試問・個人面接

一次試験:各90分
二次試験:合わせて20分
50,000円(税込)

参照:『一般社団法人日本医療経営実践協会|試験形式・受験料|医療経営士資格認定試験』

2.病院経営管理士|病院の経営管理のプロ

病院経営管理士は、1951年に設立された一般社団法人日本病院会が主催する民間資格です。
円滑に病院の経営が行える実力を備えた人材の養成を目的としています。

日本病院会が運営する通信教育を2年間受講し、スクーリングへの参加とレポート・試験・卒論の提出が必要となります。
提出物が基準に達していれば合格です。

  2年間
開講日 毎年7月1日
申込期間 4月1日~5月31日
受講者選考 書類(申込書・履歴書)審査
受講料 1年480,000円(税込)
受講内容 医療関連科目、経営管理科目、経営管理演習、特別講座、卒論

参照:『一般社団法人日本病院会|病院経営管理士通信教育』

3.防火管理者|火災予防の責任者

防火管理者は消防法で定められた国家資格です。
甲種と乙種に分かれており、管理できるビルの規模によって分けられてます。
どちらの場合も、消防機関などで実施される講習を受ければ取得可能です。

テナントとして大型ビルに入り開業する場合は、この防火管理者資格が必要となります。
事務員などのスタッフでも問題はありませんが、退職する場合を考えて医師が取得しておくと安心でしょう。

       受講時間 受講料
 甲種 おおむね10時間
(2日間講習)
8,000円(税込)
乙種 おおむね5時間
(1日講習)
7,000円(税込)

参照:『一般財団法人日本防火・防災協会|防火管理講習』

開業時に多い病院経営についての質問2つ

開業にあたっては、資格以外にも気になる点がいろいろとあるでしょう。
ここでは、病院を開業するにあたってよく出る疑問を2つ取り上げ、解説します。

1.開業にあたって資金はいくら必要?

開業にあたっていくらくらい自己資金を用意すべきか、気になっている方も多いでしょう。
ここでは、日本政策金融公庫総合研究所の「2021年度新規開業実態調査」をもとに解説します。

開業資金
金額 割合
 500万円未満 42.1%
500万~1000万円未満 30.2%
1000万~2000万円未満 17.8%
2000万円以上 9.9%

開業資金は、500万円未満に抑えるケースが42.1%と最も高くなっています。
なお、平均値は941万円でした。

参照:『日本政策金融公庫総合研修所 2021年度新規開業実態調査』

資金調達先ごとの金額

2020年4月~9月に開業した医院の平均資金調達額は1177万円でした。
資金調達先と平均金額は以下の通りです。

資金調達先 金額
金融機関からの借入 8,030,000円
自己資金 2,820,000円
親族(配偶者・親・兄弟・親戚) 460,000円
友人・知人 280,000円
そのほか 170,000円

参照:『日本政策金融公庫総合研修所 2021年度新規開業実態調査』

自己資金は、多ければ多いほど安心です。
とはいえ、実際には7割近くを金融機関から調達するケースが多くみられました。

2.経営者として注意すべき点は?

病院を開業するのであれば、医師としてだけでなく経営者としての自覚や心構えも大切です。
勤務医のときは、業務の大半は診療業務が占めていたでしょう。
病院を開業し院長になると、診療業務の責任が増します。

さらに、診療に加えて以下のような業務も行わなければなりません。

● スタッフの採用・育成
● 勤怠管理
● 集患対策・広告宣伝
● 経理

開業はあくまでスタートであり、順調に経営を続けるためには適切なマーケティングや施策の実行が不可欠です。
何にどれだけ投資し、どのように回収するか判断するなど、経営者としての感覚を身に付ける必要があります。

心配であれば、医療経営セミナーに参加して学んだり、信頼できる医療コンサルタントに相談したりするのも一案です。

まとめ

病院を開業・経営する際に必須の資格は、医師免許です。
それ以外にも、医療経営士や病院経営管理士などの資格があれば、知識を病院経営に役立てられるでしょう。

また、30人以上収容できるビルにテナントとして入る場合は、防火管理者の資格を持ったスタッフが必要です。
資格取得には時間も要するため、開業する場合は計画的に進めるとよいでしょう。

病院を開業すると、医師としてだけでなく経営者としての責任も生じます。
経営に必要な知識を学んだりコンサルタントに相談したりするなど、順調な運営を目指しましょう。

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