お役立ちコラム

column

お役立ちコラム詳細

column detail

個人で経営するクリニックのことを解説!医療法人との違いも説明

2022.10.30お役立ちコラム

クリニック開業を検討中の方にとって、最も心配なのは経営ではないでしょうか。

個人事業主となるのか、医療法人化するのかによって、経営方法は大きく変化するため悩みどころです。

本記事では、そのような悩みを抱えた方に向けて個人・法人それぞれのメリットとデメリットについて解説します。

個人で経営するクリニックから医療法人化する際に、押さえておきたいポイントもご紹介します。
法人化を視野に入れている個人でクリニックを経営している方にとっても、必見の内容です。

個人で経営するクリニックのことを解説!医療法人との違いも説明

【基礎知識】個人で経営するクリニックのことを解説!開業するなら必見

個人で経営するクリニックとは、どのようなものなのでしょうか。
定義や特徴について説明します。
また、分かりやすく比較ができるように医療法人についてもご紹介します。

個人で経営するクリニックとは?

個人で経営するクリニックの場合、営利目的での活動が認められています。
しかし、売り上げがどんなに伸びたとしても分院は出せません。
許されているのは、1か所のみの開院です。

個人で経営するクリニックは、所得税・住民税・事業税の3つが課税されます。
所得税は、所得に応じて適用され税率が決定します。
また、従業員数が5人以下の場合、厚生年金や健康保険への加入義務がないのも特徴です。

医療法人とはどんなもの?

医療法人とは、都道府県知事からの認可が必要な非営利組織を指します。
医療法人の場合、分院の開設が可能です。

しかし、営利性のある病院や診療所の開設は許可しないと定められているため、余剰金は分配できません。
医療法人では、法人税・地方法人税および住民税・事業税の3つの税金が課税対象です。
このうちの法人税は、資本金・所得金額に応じて適用され15.0%〜23.2%の間で変動します。

医療法人の場合は、厚生年金や健康保険への加入義務があります。

個人で経営するクリニックのことを開業前に知ろう

個人で経営するクリニックと、医療法人についての違いが何となくイメージできたかと思います。
ここからは、さらに詳しく理解するために個人で経営するクリニックについてのメリットとデメリットを解説します。

【個人で経営するメリット】利益の分配が自由で法人より事務手続きが楽

個人で経営するクリニックのメリットは、主に下記の内容です。

● 自分の思ったように経営ができる
● 利益の分配の仕方が自由に決められる
● 小規模企業共済や経営セーフティ共済への加入ができる
● 法人と比べると会計や経理が簡単にできる
● 複雑な事務手続きが少ない

自分の思ったように経営ができるのは、個人で経営するクリニックの大きなメリットです。
理想のクリニックにするために自由に経営ができたり、プライベートの時間を充実させるように調整したりもできます。

法人に比べると会計や経理も簡素であり、年に1回の確定申告で決算報告ができるため大きな手間がかからないのもメリットです。
事務手続きも法人より少ないため、仕事に集中する環境も整えやすいでしょう。

【個人で経営するデメリット】社会的信用を高めにくく大きな節税ができない

個人で経営するクリニックのデメリットは、主に下記の内容です。

● 自分への報酬は経費計上できない
● 事業承継に手間がかかる
● 大きな節税が困難
● 法人と比べて社会的信用度が低い

個人で経営するクリニックの場合、自分への報酬は経費計上ができないため全額税金の対象です。
また、将来的に子どもや後継者にクリニックを継いでもらう場合、経営権や資産などについてそれぞれの手続きが必要となり大きな手間がかかります。

個人事業主は、収入が増えれば税金も増えるため大きな節税は困難です。
安定した収入も保証されていないため、法人と比べて社会的な信用度が低くローンを組む際などは苦労するかもしれません。

【よくある悩み】個人で経営するクリニックは法人化した方がよい?

個人で経営するクリニックの場合、経営が軌道に乗ったり安定して余裕が出てきたりすると「法人化」について考える方も多いでしょう。

医療法人化を検討する場合、クリニックをどのようにしていきたいのか理想を明確にする必要があります。
ここからは、法人化のメリットとデメリットをご紹介します。

【医療法人のメリット】分院展開しやすく節税できる

医療法人のメリットは、下記の通りです。

● 分院展開ができるため事業拡大がスムーズ
● 事業承継する場合の手続きが簡単
● 退職金の支払いができる
● 個人事業主よりも税率が安い
● 役員報酬などにより給与所得控除が適用
● 役員退職金の経費計上ができる
● 社会的信用が得られる

医療法人化するメリットをまとめると「分院展開による事業拡大」・「大きな節税」・「社会的信用」の3つであるといえるでしょう。

【医療法人のデメリット】非営利がマストで事務手続きが増加

医療法人のデメリットは、下記の通りです。

● 医療法人化の手続きが複雑
● 医療法人登記費用が発生
● 事務手続きが増える
● 運営管理が複雑化する
● 公的な監視が強化される
● 出資金の配当ができない
● 接待交際費の経費計上に上限がある

医療法人化するデメリットは、「事務手続きが複雑化し増加」・「非営利組織であるが故の制限」の2つであるといえます。

まとめ

個人で経営するクリニックの場合と医療法人化する場合は、それぞれにメリットとデメリットがあります。
どちらを選択するかは、事業を拡大させたいか、子どもや後継者に継がせたいかなどの状況によって変わってきます。

自分がどのような医療機関にしたいか理想や計画をしっかり持っておくのが大切です。
これにより、個人・法人どちらを選択するかが見えてくるでしょう。

本記事でそれぞれの特徴を理解し、自分の理想に近い医療機関を作るためにぜひお役立てください。

お問い合わせ

contact

ご相談、お仕事のご依頼など、お気軽にお問い合わせください。

03-5839-2806